フリーランス生活を継続するには？独立後は管理を徹底

働き詰めの弊害

会社員は労働基準法という法律に守られています。労働者を雇用する立場の会社側は「1日8時間、1週間で40時間までの労働」を遵守し、残業が発生する場合は「36協定」を締結しなければなりません。この「36協定」の締結を労働基準監督署に届け出ないまま一日8時間を超えて労働させると、労働基準法に反することになるんです。会社員はこの法律に守られているからこそ、勤務時間が定められていて定時という概念が存在します。
ところが、フリーランスはこの法律に守られなくなるので、働き詰めになる人が出てくるわけです。勤務時間は自分で決められますし、働いた分がすべて自分のもとに収入として還元されるわけですから、つい頑張りすぎてしまうことも少なくありません。しかし、働き詰めの弊害は必ず生じます。まず体の不調は分かりやすく、休息が少ないと当然ながら疲れが取れなくなる、免疫が落ちる、睡眠障害になるなどさまざまな不調を来します。そして精神面でも同様に不調が出始めます。その結果、仕事のパフォーマンスが低下して質の良い仕事ができなくなり、クライアントからの信頼を失うことにもなりかねません。こうなると悪循環でしかないので、働き詰めは絶対に避けましょう。

重要視すべき健康管理

会社員だと「有給休暇」があるので、風邪などで数日休むことになっても給料をカバーしてもらえますよね。しかし、フリーランスはその「有給休暇」がなく、体調を崩したら収入減に直結します。また、フリーランスは代わりの人がいませんので、体調を崩して休業となると納期の遅れのリスクもあります。人間ですから一生のうちまったく体調を崩さない人なんていません。ただ、日頃の健康管理への意識が高い人とそうでない人とでは大きな差が出ます。
フリーランスは会社員と比較すると格段に自由な時間が増えます。その時間を仕事に費やすか健康管理のために休息にあてるかも、その人次第です。不規則な生活を続けたり食生活を疎かにしたり、そうした不摂生は健康を害します。おすすめなのは、「しっかり働きしっかり休む」こと。たとえば会社員と同じように決まった時間に仕事を始め、決まった曜日に休みを取ること、決まった時間に就寝することなどは健康を意識する上で大切ですよ。
自由な時間が増えるフリーランスこそ、健康管理を厳密に行う意識を持つようにしたいですね。

見直したい時間の使い方

仕事の時間が決められていないフリーランスは、気を抜くとオン・オフのメリハリを失いがちになります。メリハリをつけないと集中力が低下し、パフォーマンスも落ちてしまいます。仕事の効率と生産性を上げるには、勤務の開始時間と終了時間を明確に定めるのがおすすめです。「この勤務時間中にとにかく仕事に集中しよう」と決めておくだけでよいのです。
他には、「どこで仕事をするか」も時間の活用に影響します。自宅の一部を作業スペースにしているなら、移動時間そのものを省けるので最も効率的です。ただ、すべてのフリーランスが自宅で作業できるとは限りませんよね。そこで、時間を有効活用するためにできるだけ自宅から近い賃貸物件やコワーキングスペースを契約するのが効率的です。移動時間が長ければ長いほど、フリーランスのメリットである「自由な時間」がなくなります。この他に勤務時間を決めておくことで得られるメリットは、単価交渉の指標になるということです。勤務時間を明確にしておくとタスクごとの作業時間が把握でき、単価交渉をする目安になるんです。「時間のかかる仕事を安価で請け負ってしまった」ということも防げます。